相場分析

7/9の日経平均と日本株市場

Contents

第1章 本日の日経平均・市場サマリー

2026年7月9日の東京株式市場で、日経平均株価は4営業日ぶりに急反発しました。終値は前日比924.80円(1.38%)高の6万7743.85円となり、一時は節目の6万8000円台を大きく回復する場面も見られました。

主要指数の動きは以下の通りです。

  • 日経平均株価:67,743.85円(+924.80円 / +1.38%)
  • TOPIX(東証株価指数):4,020.37(+13.94 / +0.35%)
  • 東証グロース250指数:715.54(+4.11 / +0.58%)

東証プライム市場の売買代金は概算で9兆6014億円、売買高は19億7705万株に達し、活発な取引が行われました。前場には一時1,600円を超える上げ幅を見せたものの、後場にかけては徐々に上値が重くなる展開となりました。


第2章 米国ハイテク株高と自律反発の背景

本日の大幅反発の背景には、直近2日間で日経平均が2,900円以上も急落していたことによる「自律反発を狙った買い戻し」が先行したことがあります。

また、前日の米国株市場ではダウ平均こそ続落したものの、ハイテク株の一角が持ち直したことが東京市場の追い風となりました。特に米フィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超える上昇を見せたことから、東京市場でも朝方から半導体関連やハイテク銘柄を中心に広範囲な買いが先行しました。


第3章 緊迫化する中東情勢と米イラン対立の影

相場全体は大幅高となったものの、手放しでリスクオンと言えない要因が地政学リスクの再燃です。

イランによる商船攻撃を受けて米国が反撃を行い、トランプ米大統領が「停戦は終わった」と言及したことで、中東情勢の先行き不透明感が一気に強まりました。イラン側も反撃を開始しており、戦闘状態の長期化懸念から原油先物価格が上昇。金利上昇と原油高という、株式市場にとっての「逆風」が再び意識され、これが後場の日経平均の伸び悩みに繋がっています。


第4章 業種別値動きと主要銘柄の動向

東証33業種のうち、本日は13業種が上昇、20業種が下落となりました。市場を牽引したセクターと連れ安したセクターが明確に分かれる二極化の相場となっています。

上昇率上位セクター

  • (1) 電気機器
  • (2) 非非鉄金属
  • (3) 精密機器
  • (4) 海運業
  • (5) 鉱業

アドバンテストなどのAI・半導体関連株が力強く買い戻されたほか、中東情勢の緊迫化による原油高メリットを受ける鉱業などが買われました。また、個別銘柄ではファーストリテイリングが非常に強く、同銘柄だけで日経平均を約155円押し上げる結果となりました。

下落率上位セクター

  • (1) 空運業
  • (2) 輸送用機器
  • (3) ゴム製品
  • (4) 繊維製品
  • (5) 不動産業

一方で、地政学リスクや原油高、バリュー株(割安株)の売りフローが直撃した空運業や輸送用機器(自動車関連)などは軟調な推移を余儀なくされました。


第5章 値下がり数が上回る「指数先行」の市場構造

日経平均が900円を超える大幅高となった一方で、東証プライム市場の銘柄値動きの内訳を見ると、驚くべき歪みが確認できます。

  • 値上がり銘柄数:585銘柄
  • 値下がり銘柄数:917銘柄
  • 変わらず:54銘柄

ご覧の通り、値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を大幅に上回っています。これは、一部の指数寄与度が高い大型ハイテク株や半導体関連銘柄、特定銘柄(ファストリ等)が集中的に買われたことで日経平均の「頭」だけが引っ張り上げられた「指数先行型の相場」であったことを意味しています。一般的な中小型株やバリュー株を保有する投資家にとっては、株高を実感しにくい1日であったと言えます。


第6章 今後の展望と25日移動平均線の攻防

4日ぶりの反発を遂げた日本株ですが、テクニカル面では依然として警戒が必要な局面にあります。

本日の高値は6万8447.89円まで上昇したものの、上値は25日移動平均線(本日は約6万8618円付近)に阻まれる形となりました。短期的な調整局面を完全に脱出したとは言い難く、25日移動平均線が徐々に下向きに転じつつある点もモメンタム(勢い)の低下を示唆しています。

今後の焦点は、中東情勢の深刻化がどこまで進むか、そして米国の金利動向や為替(1ドル=162円台前半での推移)が日本の輸出株やバリュー株の買い戻しを促すかどうかにかかっています。


まとめ

2026年7月9日の日本株市場は、急落後の自律反発と米ハイテク株高に支えられ、日経平均が924円高と息を吹き返しました。しかし、中東の地政学リスク再燃による原油高や、値下がり銘柄数が値上がり数を上回る「歪んだ中身」を考慮すると、全面的な強気相場に戻ったとは言えません。目先は25日移動平均線を明確に上抜けるかどうかの攻防、そして海外情勢の動向を慎重に見極めるステージが続きそうです。

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